1. 火山
  2. 112 view

火砕流の怖さについて

火砕流と火砕サージはどのような被害をもたらすのか?

火砕流とは日本の過去の火山噴火によりよく聞く単語ですが
何を意味しているのでしょうか?

火砕流とはマグマの破片や、ガス、石の破片などの様々な物質がまとまって流れる現象のことをいいます。1991年に雲仙の普賢岳で発生した火砕流はマグマの赤い流れのようなものではなく、黒い煙のようなものが流れてくるいう状態のものをいいます。

火山の火口から噴出してきた火砕流は高速で地面を移動して、地表に存在するものをすべて焼き尽くして移動します。もくもくとした煙が高速で移動してくるだけなので一見して大したものではないと考えがちなのですが、火砕流の中の温度は500度を超えます。

火砕流は上空に向かって舞い上がるということはなく、火山灰とガス、空気がまとまって地上を移動します。火山灰とガスが撹拌されることにより、大きな岩も運びながら高速で地表を移動します。

火砕流が発生した場合、地元の住民に莫大な被害がでることが予想されます。

火砕流の3つのタイプについて

火砕流には3つのタイプがあると言われています。

①溶岩ドームが崩壊して発生するタイプ

②噴煙柱が崩壊して発生するタイプ

③火口から噴出したマグマが火山の斜面に落下して発生するタイプ

の3種類です。

①の溶岩ドームから発生するタイプに関して説明します。
溶岩ドームとは比較的粘り気のあるマグマが火口からせり出してドーム状に膨れ上がるものを言います。溶岩ドームは下からマグマが出てくるにつれて大きく膨張するのですが大きくなりすぎると端のほうから崩れ落ちることになります。
これにより高温の火山灰が火砕流として斜面をなめるように移動することになります。

②の噴煙柱が崩壊するタイプの火砕流ですが、火口から火砕流が一挙に流れ出るタイプのものです。火口からの噴出が激しすぎて火口の上部に柱の状態で立つことになりますがそれが崩落して火砕流となるものです。このタイプの火砕流の特徴は上部から火砕流が拡散することから、広い範囲で火砕流が流れ出る点が特徴的です。

③のタイプは火口から噴出された高温のマグマが急斜面に落下したときに、斜面にへばりつくことができず落下を始めるというものです。

いずれの3つのタイプの火砕流は大変危険なものであり、いつ起こるか全く予測がつきません。1991年の雲仙普賢岳の噴火で起こった火砕流では43人もの犠牲者がでてしまいました。

 

火砕流とよく似た火砕サージ

火砕流とよく似たものとして火砕サージがあります。
火砕サージが通過した後の堆積物は火砕流と比較して極めて薄くなります。数センチ程度と言われています。

流れの中に含まれる物質がそれほど多くなないので通過後の堆積物も多くはないのですが油断は禁物です。火砕サージの内部温度は400度を超え、進路上にある建物を全て焼き尽くしてしまいます。

雲仙普賢岳の噴火の際にも火砕サージが起こりました。火砕流本体から密度の薄い部分が分離して火砕サージとなりました。密度の薄い火砕サージといえども進路上にあった学校の校舎が一瞬にして廃墟と化しました。ただ全員避難していたので、犠牲者は幸運にも出なかったようです。

火砕流や火砕サージから逃れるためには

火砕流や火砕サージは噴火の開始からある程度の時間が経過してから発生します。ただしいつ本当に火砕流が発生するかはわかりません。特に前述した溶岩ドームの崩落の場合はいつドームが崩落するかは全然わかりません。

時速100キロメートルにもなる火砕流から走って逃げることは現実的ではありません。噴火が起こり始めた場合、火砕流のハザードマップに記された地域の方は速やかに避難するのが望ましいです。国土交通省による火砕流のハザードマップが2018年に公開されています。富士山を始めとして5つの火山が対象になっています。

火砕流内部の温度が500度以下の場合、人間が直接火砕流に巻き込まれたときは
助かることはまずありません。普賢岳の火砕流に人間が直接書き込まれたケースを見てみますと、全身の表面が焼けただれただけではなく、気管支の部分も焼けただれたという惨状でした。

屋内にいたとしても窓を破って火砕流が侵入することもありますし、その場合はまず助からないと思いますし、低温の火砕流の場合でも、火砕流内部の岩石や、石の衝撃で大けがをする可能性が極めて高いと考えられます。

ハザードマップで示されている範囲では民家がそれほど多く集まってはいないのですが旅行者などがハザードマップに示された範囲に容易に立ち入ることは大いに予想されます。

噴火の危険が迫っていると予想がされるときは、登山客は容易に火山周辺に立ち入らないようにすることが賢明です。遠方からの登山客は火山の事情に不案内のことも多いので最新のケアが必要ですね。

火山の最近記事

  1. もう一つの火山被害のキーワード「泥流」

  2. 登山者を襲う噴石と火山弾

  3. 火砕流の怖さについて

  4. 続・火山灰の影響について

  5. こんなに恐ろしい火山灰

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP