目次
科学的予知は100%不可能
もし、災害の予知というものが100%完全にできるのならば、一般的な防災の概念は必要なくなります。
災害がおこることが予定されている場所でピンポイントに何らかの処置を施せば良いだけのお話ですので。災害の場所から逃げても良いし、問題がないなら放置をしておけばよいお話です。
ただし残念ながら我々は災害の完全な予知というものはできない仕組みなのです。
起こる可能性が高い場所に事前に何らかの措置を施しておくことはできるのですが。
自然災害の発生を正確に知ることは現在の人間が持っているいかなる技術をしても
不可能でしょう。正確な予測にあたり考慮しなければならないパラメータがあまりにも
多すぎます。
予知の可能性の高いのは気象
自然が起こす災害の中で一番予測の可能性が高いのは気象予測の分野です。
人工衛星からの情報である程度の台風の進路予測は可能になります。
ただし台風の勢力の変化や、正確な進路、風速や雨量などはあくまでも
おおまかな予測の域を出ないことになります。
今までの関東に上陸する台風の進路予測は数多く行われてきたと思いますが
その進路予測が必ずしも正確に行われてきたわけではないことに気づかれると思います。
落雷や竜巻、台風やそれ以外の前線活動に伴う集中豪雨など、こちらもラフにある程度の予測は可能なのですが、住民の事前の避難を促して被害を完全に避けることができるかというと決してそういうことはありません。
地震、噴火などの地殻災害や土石流や火砕流などの地盤災害の予知に関しても十分な信頼を置けるものではありません。気象に比べて
予測の難易度は高くなります。
東海地震は予知できたのか?
2019年の時点で南海トラフ地震の予知がマスコミをにぎわせています。
南海トラフ地震の一部である東海地震は1976年に「あした起こっても仕方がない」という触れ込みで予測が発表されました。1976年の10月に国会の科学技術委員で「東海地震
はその技術的根拠が地震学の学者によって認められたため、「大規模地震対策特別措置法」が制定されました。
第一条 この法律は、大規模な地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、地震防災対策強化地域の指定、地震観測体制の整備その他地震防災体制の整備に関する事項及び地震防災応急対策その他地震防災に関する事項について特別の措置を定めることにより、地震防災対策の強化を図り、もつて社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする。
この法律の中では地震の前兆が確認されると気象庁の諮問機関が招集され
地震が起きる可能性が高いと認識されると直ちに気象庁長官は内閣総理大臣に報告をあげ、
内閣総理大臣が警戒宣言を行うというものです
この大規模地震対策特別措置法(大震法)は地震の予知ができるという前提がありました。当時中国なども地震の予知に成功し、多くの人の生命を救ったという前例を聞き、日本でも地震の予知は可能であるという確信がでてきました。
そのことも大震法が成立した背景なのですね。
この記事へのコメントはありません。