1. 火災
  2. 37 view

一酸化炭素中毒の恐怖を考える

京都アニメーションの悲惨な放火事故から約2か月経過しました。放火犯人は大やけどで今後の生死が不明な状態が継続していましたが、命については何ら別状がないという報道がされているようです。

放火により33名が犠牲になったわけですが、注目すべきことは死亡した33名のうち28名の死亡原因が焼死ではなく、一酸化炭素であったということです。

建物火災での死亡原因について

建物火災での死者数1500人余りの死因の調査を行いました。
1位の死亡原因は603人の一酸化炭素中毒によるものであるとわかりました。

火傷が原因で死亡した人のうち50%は一酸化炭素中毒により体がしびれて動けなくなり
火傷に至ったと推定されますので、死亡の根本原因は一酸化炭素によるものであると言えます。

一酸化炭素は無味無臭でありながら、極めて毒性の強い気体です。
一酸化炭素が体内にはいったら、どの程度の時間が経過すれば人体に致命的な結果をもたらすかを以下に示します。

空気中における一酸化炭素濃度の割合

0.02%の場合→2-3時間で前頭部に軽度の頭痛

0.04%の場合→1-2時間で前頭部に頭痛と吐き気
       2.5-3.5時間で後頭部に頭痛

0.08%の場合→45分間で頭痛、めまい、吐き気、けいれん
       2時間で失神

0.16%の場合→20分で頭痛、めまい、吐き気 
       2時間で死亡

0.32%の場合→5-10分間で頭痛、めまい
      30分で死亡

0,64%の場合→1-2分間で頭痛、めまい、15-30分で死亡

1.28%の場合→1-3分間で死亡

このように一酸化炭素は極めて毒性の高い気体ですので
火災現場で1%超えの濃度のものが発生した場合には容易に死に至るものです。

一酸化炭素とは何か?

このようなきわめて毒性の高い一酸化炭素とはどのような性質を持つ気体なのでしょうか?

一酸化炭素は無味無臭の気体です。質量は空気と同じです。
一酸化炭素の性質として、ヘモグロビンと結びつく性質が極めて強いことがあげられます。

人間の体が動くためには体のすみずみまで酸素が行き渡ることが必要です。
人間の体は酸素が必要であり、酸素は血液中のヘモグロビンと結びついて体の隅々にまでいきわたります。

一酸化炭素がすぐにヘモグロビンと結びつくと、酸素を体の隅々にまでいきわたらせることができなくなり酸欠状態になり、ひどい頭痛を引き起こし最悪の場合は死んでしまいます。

火災の現場では煙に包まれる一酸化炭素を吸うことにより体が動かなくなり、死にいたることが多いようです。火災の現場で一酸化炭素中毒を防ぐ方法は煙を吸い込まないことにつきます。

濡れタオルやマスクで口を覆うだけでは十分ではなく、極力煙を吸わないように
することが望ましいです。火災が発生したときは煙を極力吸わないようにすることが鉄則です。息を止めて煙の中を走り抜けるくらいのイメージでいたほうが無難です。

一酸化炭素はどのようなところで発生しやすいか?

昔からよく言われていることですが一酸化炭素は不完全燃焼により発生します。
酸素が十分に供給されている状態での燃焼が完全燃焼であり、酸素の供給が不十分な中での燃焼を不完全燃焼といいます。

酸素の供給が不十分な中での燃焼は一酸化炭素を排出します。例えば部屋を閉め切った状態で石油ストーブを使っている場合、酸素不足の中での燃焼となり、一酸化炭素の中毒になる危険性がでてきます。

一酸化炭素中毒を防ぐためにはどうすれば良いのか?

最近の住宅は気密性が高く、石油ストーブ、携帯コンロなどを室内で
使っていると一酸化炭素中毒を引き起こしやすくなります。

また室外設置型ではなく、室内型のガス給湯器を使用している家庭では一酸化炭素中毒を引き起こしやすい状態になっていますので、こまめに吸排気の状態を確認することが肝心になります。

火災の最近記事

  1. 一酸化炭素中毒の恐怖を考える

  2. 火災が起きて最初にやらなければならないことは?

  3. 消火器の活用の仕方について

  4. 火災の知識を一からわかりやすく

  5. 注意!こんなところからも火災は起きる(その2)

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP